謹賀新年の名刺とは、取引先に新年の挨拶に伺う際に、お年賀の熨斗(のし)つきタオルと共にお渡しする名刺のことです。通常の名刺の余白に、赤書きで「謹賀新年」あるいは「新年御挨拶」・「年始御挨拶」と印刷ないしはスタンプされた名刺のことを称しています。
謹賀新年の名刺は、新年のご挨拶に間に合うように、前年のうちに印刷するか、謹賀新年のゴム印や各種スタンプで既存の名刺に加工を施しておきます。
新年御挨拶の名刺の印刷については、「謹賀新年」等の文字を金箔ないしは金色で加工してくれるところもありますが、特別な新年挨拶用の名刺はともかく、年始の限られた時期のみのものなので、コスト重視の観点からゴム印・スタンプでの押印が主流のようです。
さて、この謹賀新年の名刺。一部識者や一般的にも、名刺のマナーとして失礼にあたるとの見解が以前からありますが、現実には、未だ根強い慣習であり、印刷業者もアピールを欠かすことはありません。
この記事では、そんな「謹賀新年の名刺」について、その是非について、及び、謹賀新年(あるいは新年御挨拶・年始御挨拶)と添える名刺本体上の場所(位置)、さらに、その名刺をお渡しできる時期について述べています。
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謹賀新年の名刺の是非と慣習・慣例
『礼儀正しい新年の挨拶については、暮れのカレンダー持参と同様、お年賀の「のし」をつけたタオルを持参するのが慣例であるが、普段から挨拶周りしている取引先に、「名刺に謹賀新年」を添えたものを渡すのは無作法である』といった見解が昔から根強くあります。
また、お年賀のタオルと共に発生する「謹賀新年の名刺」の名刺については、既に取引中のお相手の担当者からのものがほとんどで、かつ、大量に発生?するため、「ありがたみが少ない」といったところが本音ではあるようです。
ただ、正規のビジネスマナーとして、「謹賀新年の名刺」は年始挨拶に限りOK(しても良い)ということになっています。
世に根強い「謹賀新年の名刺」には実は、古くからの慣習・慣例があり、新年を大切にする日本国にあってはぬぐいきれないものが存在しています。
日本の名刺のルーツとなった中国の名刺の起源は、訪問先が不在の場合、自分の名前を札などに書いて、訪問を知らせていたとのこと。これが日本にも至り、江戸時代には、和紙に墨で名前を書き、同様に使用していました。
また、お年賀のタオルについては、江戸時代、歌舞伎役者や大相撲の力士が新年の挨拶として自分の名が入ったタオルを「名刺代わり」に配っていたのです。
これらの慣習が時代に即して延々と今に至っているのが「謹賀新年の名刺」と言えましょう。ビジネス上のイベントと言えるかもしれません。
名刺に謹賀新年(新年御挨拶・年始御挨拶)と添える位置(場所)
名刺上に謹賀新年(ないしは新年御挨拶・年始御挨拶)と、印刷、ゴム印などで添える位置については、むつかしく考える必要はありません。「名刺デザインの余白に添える」しかないからです。
名刺上の謹賀新年などの文字は余白にバランス良く添えます。
文字の大きさや、その実際については、ネット上の画像が多数あるので、これを参考にすれば全く問題ないと思います。
謹賀新年の名刺はいつまでお渡し出来るか?
無作法との見解すらある「謹賀新年の名刺」ですが、ビジネスマナーとして「年始挨拶に限り良い」とされているだけに、年始のお渡しできる期限は重要と言えます。
結論からいえば、関東では1月7日まで。関西では1月15日まで。となっています。これは松が明ける(お正月の松飾などを取り外す期限)と同じです。また、年賀状の必着期限とも同じ時期です。
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